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Exhibition Catalogue

コーちゃんは、ゴギガ?
−中原浩大 Drawings 1986-2012−

中原浩大

発行年: 2012.10
発行元: 伊丹市立美術館
サイズ: 187×128 mm
仕 様: 糸かがり綴じ製本、108頁
デザイン: 柴野健太[株式会社ノマル]
中原浩大(1961年生まれ)は、現代美術のなかでもひときわ異彩を放つアーティストです。しかし、表現に対するストイックな姿勢ゆえに寡作となり、その実像はあまり知られていません。
1980年代半ば、大学在籍中から、「頭のなかのイメージをそのままざくっと取り出してきた」具象とも抽象ともつかない立体造形により、“関西ニューウェーブ”を代表する作家として注目を集めました。活躍の場は瞬く間に海外にまで広がり、1993年にはヴェニス・ビエンナーレのアペルト部門に選出されます。
時代の先駆者として駆け抜けた10年あまりの歳月。その間に発表された作品は、実に多種多様です。大理石やブロンズなど従来の彫刻素材によるもの、床を覆い尽くす毛糸の編み物、13万個ものレゴブロックを使った巨大モンスター、そしてアニメのフィギュアを用いた作品。これらはその革新性とともに今なお語り継がれ、若手アーティストに多大な影響を与えています。
こうした創作活動の一方で、中原は綿々と“ドローイング”を続けてきました。日常のなかで引掛ったもの、響いたものをただ紙の上に描きとめるだけの、いわば中原自身が触媒と化す営み。それは本能に近い特別な存在として、作品制作とは別の次元に位置づけられています。「“迫害や試練のないままのお絵描き”行為として温存し生き延びている」と自ら語るように、ドローイングには「生(なま)の感覚」を追い求める、原初的な中原浩大像が刻印されているのではないでしょうか。
伊丹市立美術館所蔵の、中原の最初期の作品を機に企画された展覧会『コーちゃんは、ゴギガ?−中原浩大
Drawings 1986-2012−』では、新作を含め多数の未発表作品を紹介し、20年以上におよぶドローイング行為の全貌に迫った展覧会です。
本書は出展作とともに、中原のステートメントを複数掲載しています。

収録テキスト:
中原浩大「2つのステートメント、10年の記憶の捏造」
中原浩大「お絵かきコーちゃん」
中原浩大 ノート2008.04.13
藤巻和恵(伊丹市立美術館)「「擬音」としての絵画―中原浩大ドローイング試論