発行年:	2009
発行元:	Paris
サイズ:	348 x 286 mm
仕　様:	hardrcover, 140 pages, 63 color ills.
言　語:	日本語リーフレット付き

副題にあるように、これはユダヤ系英国人写真家がナチスに囚われた母の足跡を辿った記録である。
圧巻なのは大型カメラに収められたいわゆる廃墟の写真群。
コンクリートの巨大な構造物、広がる緑の芝と木々、いずれも無人の風景、、、。 それはかつて人間の生活空間または生産活動の拠点があったことを示しつつも、その荒唐無稽に巨大で虚ろな矩形としてそこにある。
写真家イシャイ・ガルバシュの母はベルリンで生まれる。
33年にナチスから逃れるために家族とオランダに移ったが、42年、14歳のときにドイツに強制送還される。その後チェコやポーランドの収容所に移送され、45年の4月に英国軍によって救助されるまで、各地を転々とした。

イシャイ・ガルバシュは、その足跡を辿るにあたって、大型カメラをかかえ、ゆっくりと歩調を合わせるかのように取材をしていった。
荒涼とした風景のなかに鎮魂と畏怖すべき美しさをたたえる写真集。展覧会にあわせて、特別価格にての先行発売。
Texts by Jeffrey Shandler, Yishay Garbasz