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ART

ポスト人新世の芸術

山本浩貴

発売日: 2022年6月28日
発 売: 美術出版社
発 行: カルチュア・コンビニエンス・クラブ
仕 様: 320ページ、 四六判

アーティストはいかにして自然と対峙しながら創作してきたのか、作家の自然をめぐる認識はどのような形で過去の芸術作品に表出しているのか。著者である美術評論家・山本浩貴は、2019年に執筆した『現代美術史』(中公新書)のなかで、1960年代前後の前衛芸術と2000年代以降のソーシャリー・エンゲージド・アートをつなぐ歴史や、その光と影を論考してきました。そして、芸術運動や各時代の作品を俯瞰してみたことで浮かび上がった新たな関心のひとつが、本書のテーマである、人間と自然の関係を軸とした新たな美術史を構築することでした。

人文科学の領域において、しばしば「芸術」や「美」の観念はあたかも人間の専売特許のごとく扱われてきました。しかし、「何かを見たり聞いたりしたときに感じる経験」としての美意識には、動物や植物と共通の基底が存在することを、近年のいくつかの研究が明らかにしています。本書は、美術史や文化研究で支配的な「人間を中心に据えた視点」を脱却し、人類という種を相対化した目線から、芸術の歴史を捉え直すことに挑戦しています。

人類の活動が地質学的にも重大な影響をもつようになった「人新世」とも称される現世代。アーティストは自然をどう解釈し、次世代に何を問うのか。気鋭の美術評論家が「ポスト人新世」を語ります。


●著者プロフィール
山本浩貴
1986 年生まれ。文化研究者、アーティスト。一橋大学社会学部卒業後、ロンドン芸術大学にて修士号・博士号取得。2013〜2018 年、ロンドン芸術大学トランスナショナルアート研究センター博士研究員。韓国・光州のアジアカルチャーセンター研究員、香港理工大学ポストドクトラルフェロー、東京藝術大学大学院国際芸術創造研究科助教を経て、2021年より金沢美術工芸大学美術工芸学部美術科芸術学専攻講師。著書に『現代美術史 欧米、日本、トランスナショナル』(中央公論新社、2019年) 、『トランスナショナルなアジアにおけるメディアと文化 発散と収束』( 共著、ラトガース大学出版、2020年)など。