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Tagged: 近藤亜樹

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近藤亜樹 ここにあるしあわせ

近藤亜樹/Aki Kondo

Price:

5,500円(税込)

発 行: T&M Projects + ShugoArts
発行年: 2021.3
寄稿: 神山亮子
デザイン: 鈴木 聖
仕 様: 220 x 280mm | 128頁 | 上製本

2019年冬から2020年春にかけて、近藤亜樹が故郷・札幌にて描いた50点の作品群「ここにあるしあわせ」。

近藤亜樹の大胆で伸び伸びとした筆致や鮮やかな色使い、ユーモラスで想像力を掻き立てるイメージの数々は多くの人の心を捉えてはなしません。その一方で近藤の制作は東日本大震災や身近な喪失の体験を経て、常に独自の死生観のもとに描かれています。「ここにあるしあわせ」のモチーフは、生を祝して贈る花、生を労われて贈られる花、彼方へ眼差しを放つ子供、重なり合う空のコップなど、他者と関わりながらも、個々に明滅する命の姿でもあります。如何なる状況下においても絵画から離れることなく、また悲壮な表現に甘んずることなく、今生きることを力強く肯定する作品を描き続ける近藤亜樹。今までは絵が生まれるスピードに時として自分の気持ちが追いつかなかったといいますが「ここにあるしあわせ」の制作を通し、生きることと描くこととが重なり合う実感を得るに至りました。

本書では、絵具の光沢や盛り上がり、たっぷりとした筆の流れ、重なり合う色彩など近藤絵画の特徴・魅力が紙面の上で充分に伝わるよう、熟考を重ねて印刷でも実現しました。また作品と対峙し、その喜びを感じられるような構成になっています。本棚にずっと置いておきたくなる、充実の1冊です。


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「ここにあるしあわせ」は「ただそこにあるというしあわせ」。
この世にカタチがなくても、何かが存在している、そして存在したという痕跡が私達の側には沢山あると思うのです。
それは人の魂の中に宿る温度や色彩のようなものかもしれません。
目には見えない記憶をたどって描き、描くことでまた記憶にたどりつく。
それらの全てがここにあるしあわせです。
─ ─ 近藤亜樹

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近藤亜樹
1987年北海道生まれ。山形県在住。2012年東北芸術工科大学大学院を修了後、国内外の展覧会に多数参加。 躍動感あふれる筆遣いと力強い色彩の作品とともに、油絵アニメーションと実写による短編映画「HIKARI」(2015)や、パークホテル東京の客室「おたふくルーム」(2015) の制作、音楽家とのライブペインティングなど、形式にとらわれない活動で注目される。2021年作品集刊行記念展「ここにあるしあわせ」を都内4会場で同時開催。