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Tagged: 鈴木理策, ECRIT, GIFT BOOKS

ART

白い、白い日

アルセーニイ・タルコフスキー

発行年: 2011.10.3
発行元: エクリ
サイズ: B5 判変形 200mm×180mm
仕 様: 94 頁、仮フランス装
デザイン: 須山悠里
言 語: 日本語
翻 訳: 前田和泉
写 真: 鈴木理策
二人のタルコフスキー
「タルコフスキー」と聞けば、映画ファンは誰で もロシアの映画監督、アンドレイ・タルコフスキーを思い浮かべることでしょう。彼が監督した七本の長編作品は没後25年を経た今でも世界中で愛 されています。このタルコフスキー監督の作品「鏡」「ストーカー」「ノスタルジア」の中で何度か詩が朗読されて、映像にいっそうの深みを与えています。これらの 詩の作者が監督の父、アルセーニイ・タルコフス キー。繊細で透徹した抒情性と汎生命論的な世界 観を特徴とするロシアでは知らぬ者のいない第一級の詩人ですが、共産主義政権下では不遇の時代を過ごし、初めての詩集が出版されたのは1962年、55歳になってからでした。その間、スターリン時代を生き延び、ひっそりと詩を書き続けな がら、アルメニア、グルジアなどの詩の翻訳で暮らしをたてていました。アンドレイの「鏡」のシナリオの題は最初「白い日」だったといいます。本詩集はこの「白い日」をはじめ、端正で簡潔なフォルムと豊かさに溢れたア ルセーニイの作品群の中から、映画で朗読された 詩篇を含む25篇を選びました。

原詩に触れるように

多くのロシア人を魅了し続けているアルセーニイの詩篇を、前田和泉さんの彫琢された言葉によって、いまここに読むことができます。溶け合う時空と、深い抒情性に触れさせてくれる言葉によって。

映像と詩から生まれた新たなイメージ

挿入の写真はタルコフスキー監督の映像に強く魅 せられているという鈴木理策さんに撮り下ろして頂きました。
鈴木理策さんのレンズは花を樹を水を雪を、そっと掌にのせるように瞬きます。映像と響きあう詩の瑞々しさに促された旅からの通信。人と自然への畏怖と賛美をこめた眼差しは、タルコフスキー父子のポエジーに軽やかに照応するように思われます。