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ART

ペイン天狗 長谷川繁とO JUN

長谷川繁、O JUN

発行年: 2022
発行元: O JUN、長谷川繁
サイズ: W148mm×H220mm
仕様: ソフトカバー、中綴じ、48頁
デザイン: 小池俊起
カスヤの森現代美術館にて開催の「"ペイン天狗" 長谷川繁とO JUN」(2022年1月8日[土]− 4月3日[日])の展覧会冊子。表紙題字は長谷川繁。
図版21点、O JUN、長谷川繁の書き下ろしテキストを掲載。

『ペイン天狗 長谷川繁とO JUN』

 O JUN(b,1956)と長谷川繁(b,1963)は昭和が終わってすぐの1989年、共にドイツデュッセルドルフに渡って出会い、お互いに影響関係を保ちながら制作を続けてきました。帰国後は90年代の新しい具象絵画の作家として認知され東京を中心に活動を続けてきました。
 90年代後半の日本における新しい具象絵画はマンガ、アニメの表現を取り入れた一群の作家たちや物語性の強い絵を描く作家たちが多く見受けられましたが、OJUNと長谷川の作品は具象絵画ということだけで一括りにされるような単純なものではなく、90年代以降のどの時期の二人の作品を見ても具体的なものを描きながらも、慎重に物語に回収されることを避けながら進められてきていることがわかります。グラフィカルでもなく物語性でもない別の地点でどのような具象的な絵画が描けるのか、または具象ということ自体もさほど重要ではなく絵画の成り立ち自体を追い続けているという点で、二人の画家はお互いの作品を見続け制作を前に進めてきたと言っても良いかもしれません。
 2020年代に入って「絵のようなもの」や「平面作品」は溢れているにも関わらず、「絵画」と言えるものを見つけることは難しくなり二人にとっては居心地が悪く難しい時代でもあります。
 出会って三十年を超えて初めて二人の絵を並べて見せる機会をカスヤの森現代美術館で作っていただいた。二人のペイン天狗のペインティングがどのように響き合うのかぶつかり合うのかを見ていただければと思います。

長谷川繁(画家)

展覧会ウェブサイトより