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Tagged: 赤々舎, Ryu Ika

Photograph

Ryu Ika 『The Second Seeing』

Ryu Ika

Price:

5,500円(税込)

発売日: 2021年4月
発行元: 赤々舎
構 成: Ryu Ika、姫野希美
テキストデザイン: 大島慶一郎
サイズ: H 297mm x W 223mm
仕 様: 292頁、ソフトカバー
中国内モンゴル出身のRyu Ika は、2019年に第21回写真「1_WALL」グランプリを受賞し、翌年に個展「The Second Seeing」を開催した。
写真プリントとモニターを用いた大胆なインスタレーションは、様々な撮影地や被写体自体を飛び越えたイメージの関連性と律動に満ち、空間全体を劇場に見立て、その世界に充満する視線の中、観者の位置を鋭く問うものだった。

本書は、その展示から発展し、見る人を本という劇場に招き入れる。
マンガ本のような手触りのページをめくるごとに、ユーモアと違和感が綯い交ぜとなった多様な登場人物を見る。反転する表裏やレイヤー、そこからの逸脱を見る。と思えば、不意に差し挟まれた顔の圧に曝され、その視線から逃れられない。登場人物は、時にページの展開の中で互いを見、プリントされ折り畳まれ、目を閉じたり、臓器のように再構成されたりする―。

人は常に見られている。見られていない世界は存在しない。現代社会に張り巡らされる検閲や、見る見られるの関係性、さらにRyu Ikaは、「自分の中で『他人の目』という存在を分裂させて、常にこの自分の中にある『他人の目』に監視されている」とする。「第二の性」に対しての「第二の観察」。人間の有りようを根底から問い、さらにその上に、未知の存在を窺わせる。

故郷内モンゴル、留学先の日本やフランス、旅で出向いたエジプトなど、スナップで蒐集した現実の欠片にノイズをかけたり、出力紙に手を加え、現実からデータ、データから現実を行き来する。その中に打ち込まれる自分の意識を通して、写真を作品化する衝迫に本書は貫かれている。流動し、エネルギーが連関するこの世界という劇場。作家も見る人も、舞台の反射の光に照らされている。


Ryu Ika

内モンゴル自治区生まれ
東京在住

2020 武蔵野美術大学卒業


【受賞】
2019 第21回写真「1_WALL」グランプリ
2019 T3 Photo Festival Tokyo ベストポートフォリオ賞
2018 第18回写真「1_WALL」審査員奨励賞(姫野希美選)

【コレクション】
清里フォトアートミュージアム ヤング・ボートフォリオ(2018、2019)

【個展】
2020 第21回写真「1_WALL」グランプリ受賞者個展「The second seeing」、ガーディアンガーデン、東京
2019「いのちを授けるならば」、ふげん社、東京
2019「Puzzle Mapping」、AMAC Projects、パリ

【主なグループ展】
2020 「PARCO Opens New Dimension」(P.O.N.D)、PARCO MUSEUM TOKYO
2020 「人が消えた街」チェコセンター、東京
2020 「Culture Centre in flotsam books 」、フロットサムブックス、東京
2020 「コロナの春」、ふげん社、東京
2019 第21回写真「1_WALL」展、ガーディアンガーデン、東京
2018 Photo Saint-Germain、パリ

【出版物】
Mémos(2021 Newfave)、「Big Brother is Watching you」(2020) 、「A part of u/me」(2020)、
「A part of u/ me vol.2」(2020)、「The regeneration of second seeing」(2020)、
「Through」(2019)、「Sacrifice」(2019)、「腸」(2018)、など

2020 年からアーティストコレクティブ「Culture Centre」のメンバーとしても活動