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ART

資本主義が終わるまで TILL THE DEMISE OF CAPITALISM

丹羽良徳

Price:

1,499円(税込)

発行年: 2017.5
発行元: Art-Phil
サイズ: A5版
仕 様: ソフトカバー、モノクロ、96頁
丹羽良徳は「ルーマニアで社会主義者を胴上げする」(2010)、「モスクワのアパートメントでウラジーミル・レーニンを捜す」(2012)、「日本共産党でカール・マルクスの誕生日会をする」(2013)、「日本共産党にカール・マルクスを掲げるよう提案する」(2013)からなる「共産主義シリーズ」以降、「意図的に違う意味の通訳付きで演説する」(2013)、「それが私にとって明らかに100 円玉であっても、彼にとって明らかに一万円札である場合、私にとっての革命運動とはなにか」(2014)、「ゴミの山の命名権を販売する」(2014-2015)、「職人本人の氏名を刺繍するよう依頼する」(2016)、「大杉栄を故郷で応援する」(2016)、「歴代町長に現町長を表敬訪問してもらう」(2016)、「88の提案」(2016)、そして「東京オリンピックで日本人選手全員がボイコットする」(2017-)の制作をとおして、人類が目下直面している歴史上の諸問題に、いつものアイロニカルでユーモラスな、そして時には敵対的な態度をもって立ち向かう。

本書「資本主義が終わるまで」では、市場経済、スクワット、教育、芸術祭、幽霊、冷戦以降、中絶など、近年の丹羽良徳による諸作品を読み解くキーワードを基点として、国内外で活動するキュレーター、クリティック、アカデミシャンらがそれぞれの専門的な見地から世相を読み解き、今日の公共システムが抱えるコンフリクトの内奥に切り込む。アーティスト・インタビューでは、ノルベルト・ホーファーやドナルド・トランプを押し上げる民族主義ポピュリズムの台頭と政教分離原則の動揺、パヴェウ・アルトハメルとアルトゥル・ジミェフスキとの遭遇後に炎上を起こしたワークショップの顛末とアート・システムへの問題提起、命名権行使と中絶行為の適法性/違法性をめぐる根拠律、空っぽなニヒリズムへと転化した現代のイデオロギーとスロベニアの自律的文化センター、そして新しい人権概念とパナーキズムの進展に伴う資本主義の終わりなどをめぐって、丹羽良徳の率直にして挑発的な見解を収める。また、目下制作中の「歴史上歴史的に歴史的な共産主義の歴史」の特装版のなかから「記憶・捏造・旅」をテーマに選んだ13点を公開する。
過去から未来へ。あるいは、オスタルギーからアレゴリーへ。資本主義の揚棄を予感するアーティストが旅する、ポスト・トゥルースの公共圏の現像をめぐる同時代白書。