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Tagged: 森山大道, MATCH and Company

NEW Arrival

Odasaku(English)

森山大道

Price:

6,264円(税込)

発行年: 2016.10
発行元: match and company
仕 様: 180頁、掲載点数85点、English、サイン入り
サイズ: 216 x 190 mm
織田作にさようならするために……

自由軒で名物カレーを食べる。法善寺横町をかっぽする。「めおとぜんざい」と書いた赤い大提灯を見る──。
思えば、ずいぶんと長い間、織田作に取り憑かれていた。難波から千日前を抜け、夕陽丘を登る。織田作が下りながら青春に別れを告げたように、織田作を振り切りながら口繩坂を降る──。もうこの坂を登り降りすることは二度とあるまい。幕引きに生國魂神社に向かう。源聖時坂はだらだらと長い。登りながら思う。心底もうこりごりだ。生國魂神社で織田作の銅像に会う。ソフト帽にトンビをひるがえしたそれは、小脇に抱えられるぐらい軽やで、ブロンズ像の緑青と相まって、まるでピーターパンのようではないか──。イヤな予感が走る。ダメかもしれない……。神社の脇で一服中のタクシー運転手と話す。「織田作之助? ああ、あの『夫婦漫才』な」。ケケケと笑う声が織田作のそれと重なる。織田作、織田作之助。大阪に生まれ、書き、東京に斬り込み、わずが3カ月で血を吐いて死んだ。明るさをよそおったこの哀しい男に、どうしてグッド・バイなどど言えようか。

僕にとって写真集は、2枚目のパスポートだ
─グラフィックデザイナー・造本家・町口 覚─

坂口安吾、太宰治とともに戦後日本文学の無頼派と呼ばれた織田作(おださく)こと織田作之助の短編小説『競馬』と森山大道が大阪で撮った作品を組み合わせ、マッチアンドカンパニーの町口覚が造本した1冊。